Before (改善前)

フープメッキ処理を施すコイル・シート部品のコストダウン設計(使用面増加) Before

コイル状の製品をメッキ加工するフープメッキでは、コイル状の帯材を連続的に電解液に通すことでメッキを行いますが、加工費用は製品の長さに比例します。したがって、上図のように全幅に対する使用幅が少なく、不要になる部分が多い場合には、鋼鈑材のロスが多くなることに加えて、時間当たりのメッキ有効面積が少なくなり加工の費用が割高になります。

V

After (改善後)

フープメッキ処理を施すコイル・シート部品のコストダウン設計(使用面増加) After

上図では、使用幅の 350 に対して、全幅を 380 とすることによりロス分を 30 減らして、全幅に対するメッキ加工の有効面積を増やしています。フープメッキにより、コイル状の帯材を連続メッキ加工する場合には、加工費用は長さに比例しますが、使用される幅に対する材料の幅を出来るだけロスが少なくなるように設計することで、加工費用を抑えることが出来ます。

POINT(要約)

鋼鈑材は後加工や製品化の段階でロスが発生しますが、ロス分もメッキ加工費用が必要になるため、出来るだけロスが少ない材料幅に設定することで、加工費用を抑えられます。ただし、ロスが少なすぎると弊害も発生しやすいため、設計者はメッキ工程を含めた各工程を十分に考慮して設計を行う必要があります。