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無電解メッキは電解メッキ(電気メッキ)と対を成す言葉で、電源(整流器)を使わずにメッキをすることからこう呼ばれています。また、無電解メッキはその原理から化学メッキとも呼ばれます。無電解ニッケルメッキに於いては、その当初実用化された工法(カニゼン法;日本カニゼン社様商標)からカニゼンメッキという言葉でも表現されます。

ニッケルメッキを例に電解と無電解のメカニズムを以下に説明します。(下図参照)無電解メカニズム

 

メッキにおけるニッケルの析出にはメッキ液中のニッケルイオンと電子が必要です。電解ニッケルと無電解ニッケルの違いは、電子の供給方法にあります。電解ニッケルは電源からの電子が素材を通してニッケルイオンに供給され、ニッケルが還元されて析出します。それに対し、無電解ニッケルには還元剤(次亜リン酸)が添加されており、分解された還元剤から発せられる電子がニッケルの析出に利用されます。還元されて析出したニッケルは還元剤の分解触媒として作用し、無電解メッキ液中ではメッキ表面にて連続的に還元剤の分解反応とニッケルの析出反応が発生します。析出した金属自体が触媒になるため、自己触媒と呼ばれていますが、この自己触媒タイプでないと連続した析出反応は望めません。

その結果、無電解ニッケルメッキには還元剤に含まれるリン(P)が2~12%程度含有し、そのため、ニッケル-リン合金メッキと呼ばれる事もあります。

自己触媒メッキとしては現在、銅、ニッケル、コバルト、金、銀などが知られています。

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