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バレルメッキを行う際に注意すべき品質不良がバイポーラ-現象(電蝕)です。バレルメッキを行う場合には、メッキ処理中に発生するバイポーラ-現象(電蝕)の問題が起こらないように、対策をする必要があります。

バイポーラ現象が発生するメカニズムは、メッキ処理中、陰極に接していない製品が局部電池現象によって溶解していくことを言い、バレルめっきで発生しやすい不適合品だと言われています。

バイポーラー現象による局部電池とは、メッキ液中に浸漬させた製品に局部的な電位差が発生することで、製品単体に電位が低い部分がプラス側に、電位が高い部分がマイナス側の電位となり局部電池を構成することで、プラス側になる部分がイオン化し腐食(1つの金属のプラス側(片側)が融解)することを言います。

 

主にバイポーラ現象が発生する要因としては、

①   バレル内側への製品の貼りつき。

(※主に、製品の板厚が薄く平らなものに発生が多い)

②   バレル開孔部への製品の引っかかり。

(※主に、製品の先端が尖っているものに発生が多い)

③   バレル製品投入口と蓋の篏合部への製品の引っかかりと挟まり。

(※主に、製品の板厚が薄く平らなものに発生が多い)

④   バレルメッキ中の陰極(マイナス側電極)浮き。

(※主に、製品が重量物で投入量が少ない場合に発生が多い)

⑤   バレル回転数が早いことによる過剰な撹拌(製品が液中で舞ってしまう)

(※主に、製品投入量が少なく比較的軽量なものに発生が多い)

 

①~⑤の様に複数の要因でバイポーラ現象が発生してしまいますが、特に①~③の要因での発生事案が非常に多く、メッキ業者は製品毎に工夫や改善を行いバイポーラ対策しています。

メッキ.comでは、バレルメッキのバレルサイズ、バレル形状、バレル回転速度(回転数)を製品毎に適正な条件でメッキを行っています。ここでいう適正な条件とは、バレル内部の貼りつきの防止や、バレル開孔部のひっかりなど、上記①~⑤が発生しないような対策です。特に重要なバレルの製品投入口と蓋との篏合部を特殊形状で作成し、引っかかりや挟まり防止対策を行ったバレルによってメッキを行いバイポーラ発生率が激減しています。このようなバイポーラ対策によってお客様にご好評を頂いています。

又、開発中の案件及び現行の量産品でお困りの事や各種メッキ後のはんだ濡れ性に対応した技術なども持ち合わせておりますので、お気軽にメッキ.com担当者までお問い合わせください。