メッキ工程でのバイポーラ現象に迫る

バイポーラ現象とは、電解液中で無通電の一個もしくは一団の電導体となる製品などが正と負の二つの極を同時に持つ現象です。 

 バイポーラ現象が発生すると、陽極に近い側が負の電位を帯び、陰極に近い側が正の電位を帯びます。この状態では、正の電位を帯びた側から金属が溶解し、金属表面の荒れや密着不良などの問題が生じる可能性があります。

 一般的に、バイポーラ現象は電気めっきプロセス中に起こり、メッキ処理中に通電していない金属がメッキ槽内に存在することで発生する現象です。つまり、製品一部への通電不良が主な原因です。発生する要因としては製品の貼りつきや挟み込み、バレル内部での製品引っ掛かり、バレルメッキ中の製品浮きなどが挙げられます。

 バレルメッキなどではバイポーラ現象が発生しやすいため、これを防止するためには製品の投入方法やバレルの設計を工夫することが重要です。

バイポーラ現象の発生原因とメカニズム

 バイポーラ現象とは、電解液中で一個もしくは一団の電導体が正と負の二つの極を同時に持つ現象です。この現象は主にメッキ工程において問題となることがあります。

主な発生原因とメカニズム

 バイポーラ現象は製品一部への通電不良が主な原因です。要因としては製品の貼りつきや挟み込み、バレル内部の引っ掛かり、バレルメッキ中の製品浮きなどが挙げられます。

 バイポーラ現象が起きると、陽極に近い側が負の電位を帯び、陰極に近い側が正の電位を帯びるメカニズムが働きます。これにより、正の電位を帯びた側から酸素ガスが発生したり、製品金属の溶解が起きる可能性があります。

メッキ工法による発生しやすさ

 バイポーラ現象は、バレルめっきなどのメッキ工程において特に発生しやすい傾向があります。バレル内部の構造や製品の配置によって、バイポーラ現象が起こりやすくなることがあります。

 バイポーラ現象を防止するためには、製品の投入方法やバレルの設計を工夫することが重要です。適切な対策を講じることで、メッキ工程におけるバイポーラ現象を軽減することが可能です。

バイポーラ現象の影響

 バイポーラ現象がメッキ製品に及ぼす影響は深刻です。主な影響としては以下の点が挙げられます。

金属表面の酸化

 処理液によっては製品が無通電状態になることで、製品表面が酸化されてしまいます。金属表面が酸化することにより、メッキ密着不良を引き起こす可能性があります。

メッキ中に製品表面が酸化されることで、母材からは剥離しないが、メッキ膜の一部が剥離を起こす層間剥離もバイポーラ現象の一つです。

メッキ製品の溶解

 バイポーラ現象により、メッキ製品の一部が電気的に溶解する可能性があります。これによって、金属表面が荒れてしまい、表面が不均一になり、製品の見た目や品質が低下する恐れがあります。また、酷い場合には製品寸法に影響が出たり、耐食性にも影響が出る場合があります。

対策

 バイポーラ現象の対策において、まずは理論に基づく対策が重要です。バイポーラ現象は電解液中での特定の条件下で発生するため、電気めっきの原理やメカニズムを理解することが必要不可欠です。バイポーラ現象が発生するメカニズムを把握し、対策を講じることで、効果的な対策が見込まれます。

 次に、実践的な対策も重要です。バイポーラ現象の対策は単純なものではなく、現場での実践的な工夫も必要です。製品の形状は多種多様であり、製品に適した対策を講じる必要があります。例えば、バレル内部の構造、製品配置方法の検討、処理数量やバレルの回転速度などのパラメータを最適化することで、バイポーラ現象の発生を抑制することが可能です。また、定期的な点検や適切なメンテナンスを行うことも非常に大切です。

まとめ

 バイポーラ現象は通電不良などにより、1つの製品内で正の電位と負の電位に分かれる現象です。正の電位が帯びた側からは金属が溶解し、金属表面の荒れや密着不良などの問題を生じる可能性があります。

 バイポーラは製品と設備のミスマッチによって起こります。製品に適した設備設計により、バイポーラの発生を抑制することが可能です。メッキ.comでも過去にバイポーラを経験しており、その経験からバレルをはじめとした設備の改良を重ね、最薄板厚0.20mmのバレルメッキ製品も量産しています。

 メッキ.comでは多様なバレルを保有しており、製品に適したサイズや形状のバレルを使い分けています。バイポーラやバレルメッキについてはメッキ.comまでお問い合わせください。

 

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