快削材とメッキ 快削材は注意が必要です

快削材とは

鉄鋼や真鍮などの金属では、切削加工に適した材料として快削材というものがあります。

快削材は基本となる金属成分の他に微量成分として、硫黄(S)や鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、セレン(Se)、テルル(Te)など、さまざまな成分が添加された材料のことを言います。

これらの成分を添加することにより、切削加工が容易となり、切削仕上がりが綺麗になるなどのメリットがあります。

メッキと快削材

前述の通り、快削材は加工において非常に有用性の高い材料になります。

しかしながら、メッキ処理においては快削材に含まれる微量成分が悪影響を及ぼしてしまうことがあり、メッキ処理する上では注意が必要とされています。(影響の出方は成分やメッキ処理工程によって異なります。)

前情報なく、通常のメッキ工程で処理を実施すると思わぬ不良に繋がってしまうことがあります。

例えば、鉛やビスマスなどの成分が含有している快削材に無電解ニッケルメッキを施す場合、鉛やビスマスには無電解ニッケルメッキのメッキ反応を止める働きがある為、無メッキ(メッキがされない)の原因になってしまいます。

他にも、微量成分がメッキ工程において、基本成分より溶け易い成分の場合には、溶けた箇所が巣穴の様になってしまうことがあります。巣穴の様になった箇所はメッキが施されなかったり、歪なメッキとなり、後に処理液の染み出しが起こり、サビの原因になってしまうことがあります。

この様な不良を避ける為には、予め、材料の種類を出来るだけ詳細にメッキ業者に対して知らせておく必要があります。面倒なことではあるかもしれませんが、材料情報はメッキ業者にとって必要不可欠な情報になります。

メッキ業者は材料の種類や形状などの情報を基に、メッキ手法や処理工程を使い分け、製品に適した処理工程で処理をすることができます。

まとめ

単一な金属であっても、実際には多種多様な微量成分の含有により、様々な特性を向上させた金属が存在します。しかしながら、メッキ工程ではこれらの微量成分が邪魔をしてメッキ品質に悪影響を及ぼすことがままあります。メッキ処理では材料に適した工程での処理をすることで、優れたメッキを施すことができます。

増え続ける合金金属に対して、材料に適した様々なメッキ工程が開発されています。

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