クロムメッキとは
金属クロムをメッキする技術のことです。
クロムメッキには昔から装飾用クロムメッキと硬質クロムメッキという言葉があります。
装飾用クロムメッキは製品美観を高めるメッキとして利用され、硬質クロムメッキはクロムメッキの硬さという特長を利用して、耐摩耗性の高い製品に仕上げる為のメッキとして利用されています。
ですが、これらのクロムメッキに違いはありません。
違いとしてはクロムメッキの膜厚だけです。1μmを境に、薄いものが装飾用クロムメッキ、厚いものが硬質クロムメッキと呼称されています。
クロムメッキの耐食性が高い理由
クロムメッキの表面は、空気中で酸化被膜に覆われており不働態化しています。
不働態化は化学的に非常に安定な状態であり、クロムメッキは耐食性の高いメッキとして幅広く利用されています。
クロムメッキは非常に優秀な耐食性を備えていますが、クロムメッキにも弱点が存在します。
クロムメッキの弱点
クロムメッキは非酸化性の酸の雰囲気において、酸化被膜が失ってわれてしまうことにより容易にクロムメッキが溶解してしまいます。
非酸化性の酸とは、酸化剤として作用できない酸とされています。
つまり、水素イオンによる影響のみを与える酸であり、イオン化傾向において、水素イオンより貴な金属に対して影響をあたえないものが当たります。
例えば、ハロゲン化物である塩酸などがそれにあたります。
このような非酸化性の酸にはクロムメッキは非常に弱いメッキとなってしまいます。
非酸化性の酸に比較的強いメッキ
先述の通り、非酸化性の酸はイオン化傾向において水素イオンより貴な金属に影響を与えないものですから、銅メッキや銀メッキ、パラジウムメッキ、イリジウムメッキ、白金メッキ、金メッキなどが非酸化性の酸に強いメッキということになります。
また、ニッケルメッキはクロムメッキに比べ、塩酸などの非酸化性酸に対する耐食性が高くなります。
ですが、ニッケルメッキでも長期使用においては万全とは言い切れません。
下地の露出などにより影響が出ることがあります。
まとめ
各種メッキにはさまざまな特長がありますが、それらの素晴らしい特長も使用環境によっては役に立たない場合があります。メッキでは使用環境なども考慮した選定が必要となります。
メッキ.comでは使用環境を伺った上で、最適なメッキをご提案いたします。