ステンレスの光沢電解研磨で汚れを除去 耐食性も向上
電解研磨は電気化学の力で金属表面の凹凸を減らし、滑らかにする処理です。
電解研磨を施すことにより美しい光沢外観となり、滑り性が向上します。
また、水切り性向上、汚れ付着の抑制、バリ取りなどの効果があります。
ステンレスの電解研磨では耐食性が更に向上します。
電解研磨はミクロンオーダーで処理が行われるため、寸法精度が重要な製品への影響も
非常に少なくすることが出来ます。
物理研磨には無い、電解研磨の特長
①さまざまな製品形状に対応
物理的な研磨方法は製品形状により非常に難しい場合があります。
例えば、孔の中であったり、箱の内側角部であったりする場合には、
物理的に磨きにくい為、処理が困難になります。
一方、電解研磨では孔の中や箱の内側角部など、様々な形状の製品を研磨することが出来ます。
②汚れ除去
物理研磨の場合には、研磨カス等が金属目に詰まることがあります。
これは製品のコンタミネーションに繋がってしまいます。
一方、電解研磨の場合には、目に見えない汚れや異物が取り除かれ、非常にクリーンな製品となります。
水切り性も向上し、以降の汚れ付着の抑止や汚れ落としが容易になります。
③母材金属を劣化させない
物理研磨の場合には金属表面に本来の組織や性質とは異なる加工変質層が形成されます。
加工変質層では硬化や応力などが生じ、金属摩耗や金属疲労、耐食性の低下など
製品寿命に大きな影響を及ぼすことがしばしばあります。
しかし、電解研磨の場合には変質層を生じることがありません。
④耐食性の向上
ステンレスは耐食性が高い金属として幅広く利用されていますが、
電解研磨処理を施すことで、さらに高い耐食性を発揮します。
ステンレスの耐食性が理由には、ステンレスの組成が大きく関わっています。
ステンレスを電解研磨することによりステンレス表面が濃縮された成分で覆われるます。
これにより、より高い耐食性を発揮することができます。
⑤その他
小さなバリであれば電解研磨により取り除かれます。
加工後バリ取り処理などを行っている場合にはコストダウンできる可能性があります。
電解研磨はミクロンオーダーで研磨することができ、寸法精度が重要な製品には望ましい処理となっています。
この様に非常に有用性の高い電解研磨技術ですが、問題点もあります。
それはワークのサイズが限定されるということです。
電解研磨では化学薬品を使用して研磨するという技術である為、化学薬品に浸漬する必要があります。
つまり、余りにも大きなワークは化学薬品に浸漬することが出来ず、処理することが出来ないという事です。
まとめ
電解研磨技術は適切に利用することで、製品の性能の向上や長寿命化などに繋がります。
電解研磨と酸洗いを組み合わせることにより、溶接ヤケなども除去することが出来ます。
詳しくはメッキ.comまでお問い合わせください。
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