ニッケル金属は面心立法構造で強い磁性持っています。
ですから、電気ニッケルメッキの場合にはメッキした製品は磁性を持つことになります。
一方、無電解ニッケルメッキの場合では、磁性がある場合と、
そうでない場合を選択することができます。
無電解ニッケルメッキとして多く普及しているニッケル-リンメッキでは、
リンの含有量によって低リン、中リン、高リンのタイプに大別されます。
それぞれに特長があり、目的に応じて使い分ける必要があります。
3つのタイプの中で、中リンタイプが一番広く利用されています。
低リンタイプは磁性がありますが、中リンや高リンタイプは磁性がありません。
しかし、熱処理を施すことで磁性を持たせることもできます。
これらの磁性については、あくまでもニッケル被膜の磁性についてであり、
ニッケル被膜が薄膜の場合、素材の影響を受けてしまうことがあります。
例えば鉄板にニッケルメッキを施し、非磁性にしたい場合、
非磁性のニッケルメッキを施したとしても、素材の鉄板影響により、
製品として、磁性があるものになってしまいます。
非磁性の製品を造る為には、
①素材に非磁性のものを使用する。
②ニッケルメッキの膜厚を厚くする。
などが考えられます。
これらの方法を行うことで、素材からの磁性影響を無くすことができます。
ニッケルメッキと磁性につきましては、メッキ.comまでお問い合わせください。