ウィスカ(Whisker)とは金属表面に針状やジュール状(髭のような形状)の金属単結晶が生ずる自然現象であり、表面処理の加工においてスズメッキや亜鉛メッキでの発生が知られています。金属結晶部分の発生によって、当初の回路設計では予定していない流れで通電が起こりショートを引き起こします。スズメッキは電子・集積回路などの微細な箇所で多く使用されているため、ウィスカが成長すると、回路が短絡する危険があります。

ウィスカの発生には、いくつかの環境条件に大別されます。

・室温におけるウィスカ

・温度サイクルで発生するウィスカ

・酸化・腐食性を発生るウィスカ

・外圧化で発生するウィスカ

・エレクトロマイグレーションで発生するウィスカ

 

いずれの場合もメッキ膜内に圧縮応力が発生することで、元素拡散を促進しウィスカを発生させます。これらウィスカの対策としては、いくつかの方法があります。

例えば、スズメッキの前に下地メッキをすることで、ウィスカの発生を抑制することが出来ます。この防止原理は、下地にメッキを施すことで金属間化合物の成長や拡散速度に大きな違いが出ます。他のウィスカ防止の方法は、スズ合金メッキをする方法です。スズの他に別の金属を同時にメッキすることで、金属粒子が小さくなりウィスカの成長を抑制することが出来ます。この2つの対策でウィスカ発生を完全に防止できるとは言い切れませんが、これらの下地めっきや合金メッキにすることで、予防対策として有効です。

また、ウィスカの成長を評価する方法としては、室温放置試験や恒温恒湿試験などがあります。

 

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