メッキは素材により処理方法が異なります。
素材により適切な処理方法を選択する必要があり、難メッキ素材と呼ばれる素材は処理が複雑化します。
特殊な処理が必要な素材を大別するとこのようになります。
①卑金属(Al合金、Zn合金、Mg合金など)
②不動態金属(SUS、Ti合金、W合金、Mo合金など)
③非金属(樹脂、セラミックス、ガラスなど)
上記の中でも、今回はチタン、タングステン、モリブデンといった不動態金属へのメッキについてです。これらの素材は安定で、高い融点を持つ素材です。
これらの素材にメッキすることが難しい理由にはいくつかあります。
まず、これらは強固な不動態被膜を有しており、不動態被膜が形成し易いという特長があります。不動態被膜の無い状態でメッキをしなければ密着の良いメッキ被膜が得られません。次に、合金の種類が多く、不活性な元素を含えんだ合金が多いことも挙げられます。他に、一般的なメッキ金属とは異なる熱膨張率を持ち、膨張率の差から生じる応力がメッキ剥がれを起こす原因にもなります。
これらの素材へ密着の良いメッキする為には、強力な薬品でエッチング処理等の前処理を行い、不動態被膜の無い状態でメッキすることが必要になります。また、場合によりメッキ後に熱処理を行うことで密着力を向上させたりもします。
これがチタンなどの不動態金属へのメッキ品になります。
今回はこれで終わりです。