最近、電解メッキと無電解メッキの金属メッキ膜がどのように出来ているのかについて質問を受けました。ですので、今回は電解メッキと無電解メッキの金属析出のメカニズムについて説明したいと思います。
ここではNiメッキについて説明します。
無電解メッキは金属素材だけで無く、非金属素材(樹脂等)にもメッキすることが可能であることが特長のひとつです。
では、どのようにして密着しているのでしょうか。
樹脂等の非金属へはアンカー効果により密着しています。樹脂等の非金属表面を粗して、その表面に引っかかるように金属が析出していきます。素材が金属の場合には電解メッキも無電解メッキも金属結合により密着しています。
では、金属メッキ膜がどのように素材表面にメッキ膜を作るか説明します。
NiメッキではNiメッキ液中のNiイオンが2個の電子を受け取ることで還元されNi金属として析出します。
電子の出所について電解Niメッキの場合は整流器からワークを介して供給されます。一方、無電解Niメッキの場合は次亜リン酸が亜リン酸になる際に電子が放出されます。
これらの電子を受け取ることでメッキ液中に存在するNiイオンがNi金属として析出します。
この反応が連続して起きることでメッキ金属が膜となり成長していきます。
Niメッキ以外の他の金属メッキでも基本的な原理は同じです。
今回はこれまでとします。
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