新技術 アルミ・銅接合材への一括メッキ
異種金属材料
昨今、資材高騰によるコストダウンや軽量化の観点から、鉄材や銅材などからアルミ材への置き換えが進んでいます。接点端子やコネクタ、バスバーなどの電気部品でも銅材からアルミ材への変更が進んでいます。
しかしながら、直ぐにその全てがアルミ材に置き換わるということはありません。しばらくは、アルミ材と銅材が混在したり、銅とアルミの両方が利用され続けたりします。
電気部品においてアルミ材や銅材が混在するということは、当然ながら導電接合部が発生することになります。そのような箇所では、単に接続だけで済ませる場合も考えられますが、異種金属接合材料を利用して接続することもあります。
異種金属接合材料とはアルミや銅などの複数金属が組み合わされた材料のことです。製品によっては複合材やクラッド材、バイメタルと呼ばれることもあり、異種金属接合材はマルチマテリアルの1つとして注目されています。
例えば、異種金属接合材料であるアルミ・銅複合材で出来た接点端子やコネクタ、バスバーなどの電気部品が開発されています。
アルミ・銅接合材への一括メッキとは
アルミ材や銅材はそのままで使用すると酸化被膜やサビにより通電不良を引き起こしてしまう可能性があります。アルミや銅の表面にメッキを施すことにより、安定した導電性を確保することが出来ます。これはアルミ・銅接合材においても同様であり、メッキを施すことにより様々な機能性を得ることが出来ます。
メッキの処理工程は金属種毎に異なっており、複数の金属種が接合されたアルミ・銅接合材へのメッキ処理では非常に工数の掛かる処理になってしまいます。
例えば、下図の様に従来、2種類の金属が接合された製品をメッキ処理する場合には、2回のメッキ処理が必要となります。その際、一方の金属への処理中は、マスキングなどを用いて他方金属へ影響が出ないように配慮する必要があります。
新技術ではアルミと銅の両方に適した処理工程の確立により、アルミと銅を同時に処理することが可能になりました。マスキングなどを使用せず、アルミと銅が一体化した製品をそのまま一度のメッキ処理で完結させることができます。
まとめ
アルミ・銅接合材の全面にメッキする為には、複数回のメッキ処理が必要でした。 アルミ・銅接合材への一括メッキ では1度のメッキ処理で全面へのメッキが完了することから大幅に工数が削減され、リードタイムの短縮に繋がります。また、従来方式ではマスキングなどの精度によって境界部の変色や無メッキ部などができる可能性がありましたが、新技術ではマスキングを使用する必要が無い為、そのような心配がありません。
バスバーや接点端子、コネクタ、タブリードなどの導電部ではアルミ・銅の接合材が利用されることがあります。しかしながら、アルミ材や銅材をそのまま使用すると酸化被膜やサビにより導電不良が起きる恐れがあります。メッキを施すことにより安定した導電性を確保することが出来ます。
アルミ・銅複合材への一括メッキではニッケルメッキやスズメッキ、金メッキなど様々なメッキを施すことが可能です。
詳しくはメッキ.comまでお問い合わせください。
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