浸炭防止めっき
浸炭処理とは
鋼材等の表面に炭素を拡散浸透させることにより、高硬度にすることが出来る熱処理方法です。浸炭は熱により製品を処理する為、基本的には製品全体が処理されます。しかしながら、製品によっては部分的に浸炭処理されてほしくない部分もあると思います。そのような場合には銅めっきすることにより部分的に浸炭を防止することが出来ます。
銅めっきによる浸炭防止
鉄鋼やステンレスなどの浸炭焼入れを行う製品において、浸炭を防止したい箇所に銅めっきを施すことにより、金属表面に物理的な障壁を形成し、酸素や炭素などの浸炭要素の拡散を防ぐことができます。これにより、金属表面の炭素吸収を抑制し、浸炭を防止することが出来ます。
また、意図して製品に浸炭処理する場合は良いのですが、浸炭要素の多い環境で使用する製品の場合には、意図せず浸炭現象が起こってしまうことがあります。浸炭は金属が硬くなる一方、脆くなるという側面があります。
浸炭により製品の強度や耐久性が低下し、製品品質を維持することができず故障や損傷、事故に繋がってしまうことが考えられます。これらの製品に対しても銅めっきを施すことにより浸炭を防止することが出来ます。
銅めっきは金属表面を酸化から保護する役割も果たします。酸化は浸炭を促進する要因の一つであり、銅めっきは酸素との反応を防いで金属表面を保護することが出来ます。
浸炭を防止には銅めっきを15㎛~30㎛程度施すことにより可能とされています。
まとめ
銅めっきは母材金属の炭素吸収を抑止し、浸炭現象を効果的に防止することができます。
また、銅めっきは安定性が高く、製品耐久性を向上させることのできるめっきです。
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銅めっきの菌やウイルスに対する抗菌、抗ウイルス性について説明しています。