ニッケルメッキの価格を抑える方法
結論、メッキ業者の自動化された設備仕様に合わせることです。
業者都合で大変恐縮ですが、これが一番安価になるのではないかと思います。
自動化され、成熟した設備で製造する製品は、何かの製品に採用実績のある処理である為、
実績の高い処理工程でありコストも安価に、品質も安定します。
メッキ業者保有の自動設備に合わせた、製品メッキ仕様でコストダウン
自動設備と手作業では自動設備の方が、価格を抑えることができます。
手作業はお客様の製品仕様に合わせたメッキを施すことができ、
一品一様な製品の場合には、細かく条件を設定することができます。
一方、自動設備では工程や処理時間が決まっており、複数の製品をメッキしている設備では
製品毎の条件変更が非常に難しくなります。
ですから、自動設備でメッキを行う場合にはメッキ仕様を自動設備で可能な条件に
落とし込む必要があり、お客様のご理解とご協力が必要不可欠です。
自動設備で処理することが可能となれば、手作業に比べて大幅なコストダウンが見込めます。
では、設備に合わせる必要のあるメッキ仕様とはどのようなものでしょうか。
設備に合わせるメッキ仕様
①メッキ設備に適応した材料選定
各メッキ設備では処理可能な材料が決まっていることが多いです。
例えば、鉄系材料をメインにしたメッキ設備では、アルミ系材料などを処理することが出来ません。
一方、アルミ系材料をメインにしたメッキ設備では、鉄系材料などを処理することが出来ません。
(全く出来ないわけではないかもしれませんが、基本的にはしません。)
処理することが出来ない理由は、基本的には密着が確保できないからです。
各メッキ設備ではメイン材料に対して処理工程を設計しており、他の材料に対しては
メッキ処理できない場合があります。
どの様な材料であれば、自動設備で処理できるのかについては、各メッキ業者様にお問い合わせください。
②多層メッキ
メッキは色々な金属層を積み重ねることで、単層メッキでは足りない性能を付与させることができます。
例えば、ニッケルメッキの場合には下地に銅メッキを施すことがあります。
ニッケルメッキ単層であったり、”銅メッキ”と”ニッケルメッキ”の多層メッキなど、設備により構成が決まっています。
ですから、メッキの種類を設備に合わせることになります。
③メッキの膜厚
電気ニッケルメッキの膜厚は、電流と時間によって決まります。
正常にメッキ可能な電流範囲が決まっており、余り大きな電流を流すことができません。
ですから、膜厚を厚くするためには、時間を延ばしてメッキすることになります。
しかしながら、自動設備の場合にはサイクルタイムが決まっていることが多く、
余り時間を延長してメッキすることは難しくなり、極端に厚いメッキを施すことができません。
メッキの膜厚も自動設備で可能な膜厚範囲にする必要があります。
④メッキの光沢
ニッケルメッキの場合には光沢や無光沢など、光沢に種類があります。
ニッケルメッキの光沢は最終メッキ製品の外観を決定付けるものであります。
様々なニッケルメッキの光沢度合いがあり、お客様が好まれる光沢度合いも千差万別です。
お客様毎に光沢を調整できれば良いのですが、ニッケルメッキの場合には光沢度合いは
処理液によりほぼ決まっています。
仮に、違う光沢度合いが必要であれば、違う処理液を準備する必要がありますが、
自動設備の場合、他製品の兼ね合いがあり簡単に変更することができません。
ですから、メッキの光沢は自動設備で処理している光沢度合いと同等になります。
ですが、光沢に関してはお客様の方にご協力いただくことで改善が見込めることがあります。
詳しくは下記のリンクをご確認ください。
まとめ
ニッケルメッキの価格を抑える為には、自動設備で処理できるように条件を合わせることです。
合わせる条件には、材料やメッキの種類、膜厚があります。
また、光沢はその設備で採用している光沢度合いになることを了承する必要があります。
自動設備はメッキの種類や膜厚は多くの製品での採用実績が高いことを意味します。
また、工程が安定している為、安定した品質をご提供することが可能です。
メッキ.comでは多数のメッキ自動設備を保有しております。
詳しくはメッキ.comまでお問い合わせください。
第29回 光沢メッキの材料による影響 メッキの光沢と材料の関係についてご紹介しています。製品外観の一つに光沢があります。メッキで光沢を出すことができますが、光沢は材料の影響を大きく受けてしまいます。 |
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