使用環境とメッキ耐食性
メッキの重要な特性として耐食性があります。
亜鉛メッキやニッケルメッキ、クロムメッキなどが代表的な耐食性メッキとして挙げられます。
上記の様に耐食性という言葉は多く聞かれますが、一体何に対する耐食性なのでしょうか。
耐食性
メッキにおける耐食性とは、母材をどれだけ錆から守ることができるかを表した言葉で、
一般的にメッキでの耐食性は水や海水などの自然環境に対しての評価になります。
評価方法は塩水噴霧試験によってメッキの耐食性を評価します。
酸やアルカリ、溶剤など各種薬品に対する耐性は、耐薬品性として評価されます。
メッキによって耐食性は高くても、薬品の種類によって耐薬品性が低い場合があります。
例えば、亜鉛メッキやクロムメッキは塩水噴霧試験では非常に優位なメッキですが、
塩酸雰囲気では耐食性が低く、早期に錆びてしまいます。
他にも、ニッケルメッキは中性~アルカリ雰囲気に比較的強く、
スズメッキは中性~酸雰囲気に比較的強いなどの傾向があります。
この様にメッキ金属の種類によって耐食性や耐薬品性が異なります。
まとめ
塩水噴霧や薬品浸漬による試験は耐環境試験として幅広く利用されています。
塩水噴霧や薬品浸漬の結果により耐食性を知ることができます。
しかしながら塩水噴霧試験や薬品浸漬で得られた結果が、実環境で「どの位の期間に相当するのか」、
「どれだけ耐食性が持つのか」という質問に対して断言することが出来ません。
なぜならば、実際の使用環境では単一雰囲気だけでなく、様々な物質が複合的に存在する雰囲気であったり、
気温、湿度、風速などさまざまな要素の影響があるからです。
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