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一般的な水平バレル方式の場合、ドラム缶状のバレルを水平に倒し回転させる為、投入及び排出口には蓋をしなければいけません。

その為、ワークの形状・板厚などによっては、蓋とバレル本体の蓋受け部との隙間にワークが挟まることによりさまざまな不良の原因となります。

例えば、ワークが蓋に挟まった状態でメッキ処理される事によりバイポーラ現象となり、ワーク自体が不導体化になり密着不良が発生したり、ワークの一部が溶解し対局する部分にはメッキが異常析出されてしまい不良品となる。

又、蓋とバレル本体の蓋受け部に挟まったまま一定時間回転されてしまうので、ワーク自体の自重により変形不良が発生します。この状態がメッキ中で繰り返し起こる事により不良品が正常品へ混入してしまいます。

対策としては、根本問題をクリアにした蓋の無いバレルを導入する事で問題は解決しますが、デメリットも合わせて紹介します。

①   蓋なし傾斜バレル方式

傾斜させる事によって水平バレルと比較しワーク投入量が減少してしまいます。又、移動式連続自動メッキライン工程には不向きであり、生産能力が著しく低下してしまいます。

②   蓋なし揺動バレル方式

1回転させず一定の往復運動によりバレル内のワークをころがし混合させる方法であるが、通電しながらメッキを行う回転式バレル方式と比較した場合、ワーク混合率が低下しますのでメッキ膜厚のバラツキが大きくなります

蓋なしバレルにする事で製品の引っ掛かりによる不良は無くなりますが、その他の品質面と生産能力等で課題も多くある事は事実です。

メッキ.comでは、蓋及びバレル本体蓋受け部の改善バレルを導入しています。

バレルの蓋及びバレル本体蓋受け部に凹凸を設け、ワークなどが挟まりにくくする改善や、蓋とバレル本体蓋受け部に耐薬性のパッキンを使用し抑え込む等の改善を実施しています。

長年の経験から幾つもの改善を重ね、バレル業者ともタイアップし現在では板厚0.15mmまで対応可能となる実績を持っておりますので、バレルメッキでお困りの方はメッキ.com担当者までご連絡下さい。