Answer (回答)
この度は、メッキ.comへのお問合せ、誠にありがとうございます。ご質問いただきました内容の、“普通のメッキ”を、“単層メッキ”と伺ったので、以下“普通のメッキ”を“単層メッキ”として、回答いたします。
単層メッキは、下地に銅メッキ⇒ニッケルメッキを行い、その上に加工される外層金属がクロムメッキや金メッキなど単一金属になります。
一方、下地にのる外層金属が単一金属ではなく2種類以上の金属を混合させ合金となっているものを合金メッキと呼んでいます。
合金メッキには用途及び環境に伴い選定され使用されており、多種多様なメッキ被膜特性を持っています。その中から一部の合金メッキのご紹介をさせて頂きます。
〇鉄–亜鉛合金メッキは、亜鉛の中に亜鉛よりも錆びにくい金属を混合することにより、メッキ被膜が腐食する速さを抑制します。、鉄-亜鉛合金メッキは、従来の亜鉛メッキと比べると素材への錆発生などを防ぐ期間を長く保つことが出来ます。
〇ニッケル–亜鉛合金メッキは、低ニッケル・中ニッケル・高ニッケルと3種類のタイプがあります。この3つのニッケルメッキの中でも高ニッケルタイプが最も耐食性に優れており、更に耐熱性・溶接性・塗装密着性・カバーリング性・均一電着性などの特性が得られます。
〇スズ–亜鉛合金メッキは、鉄鋼の防食性や延展性に優れ、二次加工に高い特性をもった合金メッキで、高温多湿の雰囲気中や塩水などに対して優れた耐食性があると言われています。
〇スズ–コバルト合金メッキは、色調はクロムメッキに似ていることから、6価クロムフリーメッキとして多く採用されています。しかし、装飾クロムメッキほどの硬度や耐摩耗性はありません。耐食性に関しては、クロムメッキとほぼ同等だと言われています。
〇スズ–ニッケル–銅合金メッキは、耐食性に優れ色調は黒鉄色(ガンメタ)で光沢のある色調が得られることで自動車用のグリル、建材金具、眼鏡などによく採用されています。
〇銅–亜鉛合金メッキは、真鍮メッキ又は黄銅メッキと呼ばれ、色調は金によく似た輝きを持っており、金メッキと比較すると低コストでメッキができるため、トロフィーやメダルなど様々な装飾用品に使用されています。
〇スズ–銅合金メッキは、ブロンズメッキとも言われ銅色を生かした銅ブロンズ色で、照明器具や室内装飾品などに多く採用されています。
〇スズ–鉛合金メッキは、はんだメッキと言われ一昔前までは電子部品などのウィスカ防止及びはんだ付け性の改善を目的として採用されていました。しかし、RoHS規制の影響で鉛を含有するはんだメッキの使用が難しくなってきたことで、スズ-銅合金メッキ、スズ-銀合金メッキ、スズ-ビスマス合金メッキなどの鉛フリーはんだメッキとして各種部品に採用されています。
メッキ.comでは、合金メッキなどは試作段階からの対応とさせて頂いておりますが、各種素材及び各種メッキのノウハウを持ち合わせておりますので、お気軽にメッキ.com担当者までお問い合わせください。
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